ハムスターはおよそ1歳半で老化のサインが現れ始めます。ではハムスターの老化のサインはどこで見分ければいいのでしょうか。高齢ハムスターにはどんな食事やケージ環境が適しているのでしょうか。
このページでは、「ハムスターの老化のサインと食事・ケージ環境の整え方」についてご紹介しています。
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ハムスターは、ゴールデンやジャンガリアンなど、それぞれの種類の遺伝的特質や健康状態、飼育環境によって違いはありますが、一般的にはおよそ2年〜3年でその短い一生を終えます。
そのため、寿命の短いハムスターは、私たちが想像する以上に早くシニア(高齢)期へと入っていきます。その目安とされるのが生まれてから1歳半を過ぎた頃。
生まれてからおよそ1年半をを過ぎたハムスターには、老化による体の変化(サイン)が表れ始めます。そして2歳くらいになると、もう立派な「お年寄り」です。
もちろんハムスターが年老いていく速さは、さきほどご紹介したように、それぞれの遺伝的特質や健康状態、飼育環境によっても違ってきますから、生まれてから1歳半を過ぎたからといっていきなりお年寄りになるわけではありませんし、シニア食に切り替えたりケージの環境を大きく変えなければならないというわけでもありません。
ハムスターが1歳半を過ぎた頃から、まずは日頃のお世話を通して老化によるサインが出ていないかを注意深く観察するように心がけておきましょう。
そして、もしハムスターにそうした老化のサインが表れたら、その変化に合わせてケージの環境や食事の内容を変えていくようにしてください。
かわいがって育てているハムスターが年老いていくのを見るのは辛いことですし、なんとかしてあげたいと思うのが飼い主さんの心情でもありますが、老化を止めることは誰にもできません。
でも、ハムスターの高齢化に伴ってケージの環境を整えて住みやすくしたり、食べやすくて消化にも良い食事を考えてあげることで、ケガや病気を防ぐことができます。大切なハムスターが少しでも快適に長生きできるように手助けしてあげましょう。
ハムスターは、いろんなことが原因で体調を崩すことがあります。でも、ハムスターは体調が悪くても飼い主さんに言葉で伝えることができません。
また、野生環境では肉食の動物にいつも狙われる立場のハムスターは、体調が悪くてもそれを隠そうとします。なぜなら、弱っていることがわかってしまうと真っ先にそうした肉食の動物に狙われてしまうからです。その習性は安全な飼育環境で暮らしているペットのハムスターでも同じです。
そのために飼い主さんがハムスターの異変に気がついた時には、症状が相当に進んでいた…ということも少なくありません。
とくにハムスターも高齢になると、体のあちこちが衰えて病気やケガをしやすくなります。そうした変化や異常に気づいてあげられるのは飼い主さんだけです。ハムスターが高齢にさしかかったら、とくに毎日の世話の中で注意をしてあげましょう。
では、ハムスターの老化のサインには、どんなものがあるのかをまとめてみましたので参考にしていただければと思います。
ハムスターは、高齢になると自分で毛づくろいをすることが少なくなり、被毛の毛づやがなくなって毛並みも悪くなります。また被毛が抜けても生え変わりにくくなるので、毛が薄くなって皮膚病にもかかりやすくなります。
ハムスターも高齢化に伴って骨が弱くもろくなり、背骨が曲がって前かがみの姿勢を頻繁にとるようになったり、些細なことで骨折しやすくなります。足を引きずるような動きには、とくに要注意です。
ハムスターの目に輝きがなくなり全体に白く濁ったようになります。また、もともと低かった視力がさらに低下して、周りが見えていないような行動を取るようになります。
ハムスターも高齢になると、筋肉が衰えて足腰が弱くなります。若い頃はすばしこく歩いていたハムスターも歩く速度がゆっくりになります。
思うように体が動かないことから、動作全体も緩慢になり、回し車で遊ぶ時間も短くなります。
ハムスターの老化とともに、胃腸の働きが弱くなり、それまで食べていたものが消化されにくくなります。その結果、下痢を起こしやすくなりますので食事の内容には注意が必要です。
年齢とともにハムスターの歯が抜けてしまったり、かみ合わせが悪くなって食べ物がうまく食べられなくなります。その結果として食事量が減っていきます。
また、ほお袋に入れたものが出しづらくなったり、片側のほお袋ばかりに食べ物を詰めたりするようになります。
ハムスターも高齢化とともに、あごの力が弱くなり、固いものが食べられなくなります。ハードタイプのペレットをほとんど食べなくなったら要注意です。
ハムスターの高齢化とともに、日常的な動作が鈍くなり、忙しく動きまわることで自然に削れていた爪が削れなくなります。その結果、飼い主さんが切ってあげないと爪が伸びすぎたままになります。
さきほどご紹介したような老化のサインが見え始めたら、食事(餌)の内容とケージ内環境を見なおしてハムスターが快適に過ごせるように工夫してあげましょう。
ハムスターも高齢化とともに、歯が抜け落ちたり、あごが弱って噛む力が弱くなって固いものが食べられなくなってきます。
若い頃、一生伸び続ける歯を食事を通して自然に削っていくために、ハードタイプのペレットを与える必要があったハムスターですが、老化の兆しが見え始めたら、徐々にやわらかく食べやすい食事(餌)に切り替えていきましょう。
噛む力の衰え具合にもよりますが、主食のペレットは小さく砕くか、水でふやかして柔らかくしたものに変えるのも良い方法です。
また、胃腸の働きが弱くなって、食べたものを消化するのも上手にできなくなりますので、できるだけ消化の良いものを選んで毎日の食事として与えていきましょう。
胃腸の働きを助ける食物繊維やビタミンが豊富な野菜や果物は、すりおろして副食として用意してあげてください。ただし、老化に伴って運動量が減るので、高脂肪のものは控えておくほうが安心です。
ハムスターも高齢になると、だんだん機敏な動作ができなくなっていきます。ちょっとした段差でつまづいたり、ケージの網に足を引っ掛けたり。そうした危険を避けるには水槽タイプのハムスターケースがおすすめです。
そしてケース内には、床材を厚めにふっくらと敷き、できるだけ段差がないようにしてあげましょう。また、エサ入れやトイレはできるだけ高低差の少ないタイプに交換して使いやすくしてあげてください。
ハムスターも高齢化とともにおもちゃで遊ぶことが少なくなります。危険を避ける意味でもおもちゃは外に出しておくほうが安心です。また、回し車は運動量との兼ね合いもありますので高齢化の程度によって判断する必要がありますが、心臓に負担がかかるので取り外しておくほうが安心です。
また、急激な温度と湿度の変化は体力を消耗させるため、ハムスターケージ(ケース)内の温度は、つねに一定(18℃〜25℃の範囲内)に保つようにしてあげてください。
ハムスターも、高齢になると体の様々な機能が衰えてきて、それまで普通にできていたことがだんだんできなくなっていきます。
とくに毛づくろいなど、もともと自分でできていたことができなくなっていきますので、いろんな場面で飼い主さんの手助けが必要にななってきます。
そして、とくに気をつけたいのが日頃の健康管理。ハムスターは言葉で伝えることができないので、病気やケガにいち早く気づくことが大切です。
高齢になって消化機能が衰えたハムスターは新陳代謝も緩慢になります。その影響が現れるもののひとつが、被毛です。
被毛の毛づやがなくなり、またハムスター自身の毛づくろいの回数も減るため、皮膚の病気にもかかりやすくなります。無理強いはいけませんが、皮膚病予防のためにハムスターが嫌がらない限り、週1回くらいを目安にブラッシングを考えてみましょう。
基本的には、小動物用のグルーミングブラシや人間用の柔らかい歯ブラシを使い、毛並みに沿ってブラッシングをします。ただし、ハムスターの皮膚はとても薄く傷つきやすいので、不安なときは無理をせず、獣医さんに方法を聞いてから行ってください。
ハムスターの高齢化に伴って、日常的な動きも少なくなることで、それまで忙しく動きまわることで自然に削れていた爪が伸びがちになります。
伸びすぎた爪をそのままにしておくとケガの原因になるので、飼い主さんが程よい長さに切ってあげてください。
爪を切るときは、ハムスターの体を手の平でそっと保定して、人間の赤ちゃん用の爪切り、もしくは小動物用の爪切りで、爪の先端の血管の通っていない部分をそっと切り落とします。
ハムスターの爪には途中まで血管が通っていますので、深爪をすると出血するので、不安なときは獣医さんにお願いするほうが安心です。
高齢で体力が衰えてくると、どうしても病気にかかりやすく、また治りにくくなります。気づかずに放置していると間違いなく深刻化します。毎日の健康チェックを欠かさないこと、できれば獣医さんに相談して定期的に健康診断を受けるなどして、病気やケガの予防と早期発見に努めましょう。
○当サイトの出典及び参考書籍:幸せなハムスターの育て方 [ 岡野祐士 ](大泉書店)/かわいいハムスター飼い方・育て方 [ 田向健一 ](西東社)/小動物の飼育情報満載!スモールペット飼育ハンドブック(緑書房)ほか
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