ハムスターの突然のケガや病気のとき、どうしても慌てたりうろたえたりしてしまうものですし、ハムスターは体が小さい分、ちょっとしたことで命に関わることが少なくありません。
そこで、このページでは、そんな緊急のときに役立つ「ハムスターのケガや病気の応急処置方法」をご紹介しています。
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大切にしているハムスターがケガをしたり事故に遭ったり、苦しそうにしているのを見ると、飼い主さんとしては、どうしても慌てたりうろたえたりしてしまうものです。
でも、ハムスターは体が小さい分、ちょっとしたことでも命に関わることが少なくありません。だから、そういうときこそ冷静に状況を把握して適切な行動や応急処置を施すことが大切です。
場合によっては一時的に症状が改善したり、ハムスターが回復したかのように見えることもあります。でも、そうした一時的な回復を過信するのは、とても危険です。大丈夫そうに見えても、必ず一度は動物病院で診察を受けて獣医師の判断を仰ぎましょう。
また、ちょっとしたケガくらいなら…と、飼い主さんが自分で治療するケースもあるようですが、応急的な処置ならともかく、飼い主さんが自己判断でハムスターの治療を行うのはとても危険です。
ハムスターに病気やケガなどの異変に気づいたら、すぐに症状をそれ以上悪化させない応急処置を施してできるだけ早く動物病院に連れていくことを心がけておきましょう。
では、動物病院に行く前にできる「ハムスターの突然のケガや病気に役立つ応急処置方法」を紹介します。
ハムスターに骨折やねんざの疑いがあるときは、とにかく骨折部位やねんざの箇所に負担をかけないように応急処置を施してからすぐに動物病院へ急ぎましょう。
ハムスターの足が腫れていたり、歩き方が不自然だったり、びっこを引いていたら、骨折やねんざの疑いがあります。
そのまま動きまわらせると症状がさらに悪化しますので、ハムスターの動きを制限しつつ体がすっぽり入るくらい小さな箱やケース入れて動物病院を受診しましょう。
その際、移動による振動や揺れで足や患部に負担をかけないように箱の底にタオルやキッチンペーパーを敷き詰め、ハムスターの足元を柔らかくして症状の悪化を防ぐ応急処理をしておきましょう。
骨折やねんざの場合は、折れた場所やねんざの程度にもよりますが、動物病院での内科治療や外科治療が必要になります。様子見をしていて治るというものではないので、必ず動物病院での治療を受けさせてあげましょう。
ちなみに、ハムスターの骨折やねんざを予防するには、ケージの中に足をひっかけてしまうような場所がないかを確認して、できれば水槽タイプのケージに交換したり、ラダー(ハシゴ)タイプの回し車を使わないようにすることが効果的です。
ケージの中の床材などに血がついていたら、ハムスターの体のどこかにケガをしています。
仮にケガの箇所が見つかって、すでに出血が止まっているようでも、傷口や体内が化膿している場合もありますので、ケガの程度にかかわらず、必ず動物病院で診察を受けておきましょう。
もしもまだ出血が続いているようなら、傷口に片栗粉などをつけて応急的に出血を止める方法を試してみましょう。
また、傷口が汚れているときは、ぬるま湯で濡らしたガーゼでそっと拭き取っておくのも良いことですが、ハムスターによっては暴れることもあるので、くれぐれも無理をしないようにしてください。
ハムスターに出血がある場合も応急的に止血をして、骨折や捻挫のときと同様に、ハムスターの動きを制限しつつ体がすっぽり入るくらい小さな箱やケース入れて動物病院を受診しましょう。
ハムスターは気温が10℃を下回ると、冬眠(擬似冬眠)に入る習性があります。野生のハムスターたちはそうやって、寒い冬の時期を冬眠して過ごすのです。
当サイトの「ハムスターの冬眠防止対策と寒さ対策」のページでもご紹介していますが、一般的にハムスターは、気温が15℃を下回ると動きが鈍くなり、10℃以下になると体温が下がり呼吸が浅くなって冬眠に入ります。
ハムスターの冬眠は、自然環境の中を生き抜くために身につけた能力のひとつですので、それ自体は問題はありません。問題なのは、飼育環境下では体温調節がうまく行かずそのまま死んでしまうことがあるということです。
そのため、飼育環境下では、ハムスターを冬眠させないように温度管理をするほうが安心です。
もしも、ハムスターが冬眠に入っているのでは…と感じたら、すぐにハムスターの体を温める応急処置を施して回復させましょう。
ハムスターを冬眠から回復させるには、両手でハムスターの体を包み顔だけが外に出るようにして飼い主さんの体温でゆっくり温めます。
ハムスターが冬眠に入ったからといっていきなり命を落とすことはありません。飼い主さんの体温でゆっくり温めてあげましょう。そして、回復後も心配なら獣医さんの診察を受けておきましょう。
飼い主さんによっては、ハムスターをドライヤーで温めては?と思う方もいるかもしれませんが、ハムスターは体が小さいので、ドライヤーで温めようとすると急激に体温が上がってとても危険です。
また、温風の当て方によってはハムスターの肺を焼いてしまうことがあるので絶対にやめておきましょう。
冬眠防止には、寒くなる頃から室温をハムスターに適した温度帯である18℃〜25℃の範囲内に保つか、ペットヒーターを使ってケージ内の温度が18℃以下にならないように管理することが効果的です。とくに気温が低下する夜から明け方にかけての時間帯には注意が必要です。
先程もご紹介しましたがハムスターが健康に過ごせる気温は、およそ18℃〜25℃の範囲で、25℃を越える環境に置くと熱中症の危険が高くなります。
ハムスターが熱中症にかかったら、すぐに体温を下げなければなりません。もしもハムスターの体温が異常に高くなり、呼吸が苦しそうに思えたら熱中症の疑いが濃厚ですので、ます涼しい場所にケージを移動しましょう。
ハムスターの体を直接冷やす方法としては、濡らしたタオルをビニール袋に入れて体をくるむ方法が一般的ですが、症状が重いようならタオルでくるんだ保冷剤で体を冷やしながら急いで動物病院を受診しましょう。
その際、保冷剤は必ずタオルなどでくるんで使うことを忘れないようにしてください。
その理由は、直接保冷剤にハムスターの体を当てたり、水をかけて冷やそうとしたりすると急激に冷えすぎてしまい、逆に低体温になってしまうのでとても危険だからです。
移動の際は、キャリーケースの中の温度にも注意が必要です。
ハムスターがやけどを負ったら、濡らしたティッシュで患部を巻いてすぐに動物病院へ急ぎましょう。
多くの場合、ハムスターが直接熱源に接触してやけどを負うのは、主に冬に部屋の散歩をさせているときです。部屋のストーブや電気ヒーターに触れてやけどをすることがありますので注意が必要です。
もしも熱湯に落ちるなどしてハムスターの体全体がやけどを負った場合は、濡らしたタオルを硬く絞って体をくるむようにして動物病院を受診してください。
慌てて水をかけて冷やそうとしたり保冷剤を直接ハムスターの体に当てたりすると体温が急激に下がってとても危険ですので、ハムスターの体に直接水をかけたりすることは絶対に避けてください。また保冷剤を使うときは、必ずタオルなどでくるんでください。
ハムスターは、ものをかじる習性がありますので、部屋を散歩させている最中に電気コードなどをかじって感電する事故が少なくありません。
ハムスターが感電したとき、あわててハムスターの体を掴むと飼い主さんまで感電してしまう恐れがあります。まず飼い主さん自身が感電しないように電源を抜き、すぐにハムスターに意識があるかを確かめながら動物病院へ急ぎましょう。
多くの感電事故では、ハムスターの体内や口の中をやけどしている可能性もありますので、仮に大丈夫そうに見えても必ず動物病院の診察を受けてください。
ちなみに、ハムスターの感電事故は予防が大切です。部屋の中を散歩させるときにかじってしまう危険性がある電気製品のコードは市販の保護材で覆うか、家具やカーペットなどを使って完全に隠すよう徹底しておきましょう。
これもハムスターが部屋を散歩している最中に起こりやすい事故ですが、髪の毛やホコリをくっつけて取る掃除用の粘着シートや、床に置いて使うゴキブリ対策用品の粘着部にハムスターがくっついてしまうことがあります。
粘着部に体の自由を奪われたハムスターが暴れたりしてさらに体がくっついてしまうことがありますので、まずそれ以上被害が大きくならないように、粘着部に小麦粉などをふりかけてそれ以上くっつかないように応急処置を施し、動物病院で処置をしてもらいましょう。
くっついた状況次第では、飼い主さんが少しずつ少しずつ剥がすということも不可能ではありませんが、ハムスターは皮膚が薄く傷つきやすいので、自分で剥がすのには大きな危険が伴います。
不必要なリスクを背負ってまで自分で剥がすより、被害の拡大を防ぐ応急処置のあと、動物病院ではがしてもらうほうが安心です。
ハムスターが部屋を散歩しているときに起こる事故には、観葉植物やタバコ、人間の薬、お菓子やペレットの乾燥剤など、ハムスターが口にすると有毒なものを食べて中毒というものもあります。
多くの場合、ハムスターが中毒を起こすと、「食欲がなくなる」、「ぐったを起こすりとして動かなくなる」、「苦しそうに息をする」、「食べたものを吐く」、「体が痙攣する」などの症状が現れます。
ハムスターは体がちいさいだけに、たったひと口でも命に関わることが少なくありません。すぐに体内の毒素を体の外に出さないと死んでしまうこともある危険な状態ですが、専門知識を持った獣医さんでなければ、飼い主さんではとても対処はできません。
しばらく様子を見てからという判断はとても危険です。ハムスターの体に余計な負担が掛からないように小さな箱にタオルやキッチンタオルを敷き詰めて、箱の中の温度にも十分注意をしながら、一刻も早く動物病院で診察を受けてください。
ハムスターのおしりの周辺が濡れていたり汚れていたら、下痢をしている可能性があります。
ハムスターに限らず、下痢をすると水分が体の外に大量に出てしまうので、脱水症状と体温の低下に注意しながら動物病院で診察を受けましょう。
ハムスターを動物病院に運ぶときには、キャリーケースの床にタオルやキッチンペーパーなどの水分を吸収する素材のものを敷き詰めて、体温が下がらないように温かくしてあげましょう。
ハムスターに動物病院で処方された薬を飲ませるときや、流動食を食べさせるときにスポイトがあると役立ちます。注射器タイプのものもありますので、使いやすい方を用意しておくと安心です。
綿棒は、ハムスターに塗り薬を塗るときに、ガーゼはハムスターがケガをして出血したところを押さえたりするときに役立ちます。清潔なものを用意しておきましょう。
体温調節が苦手なハムスターの体を温めたり冷やしたりするときには、保冷剤やペットヒーターがあると役立ちます。
ただし、ペットヒーターや保冷剤は直接ハムスターの体に触れると急激な温度変化によって体調を崩す恐れが高いので、保冷剤はタオルにくるんで、ペットヒーターはケージの外側底面に敷いて使いましょう。
○当サイトの出典及び参考書籍:幸せなハムスターの育て方 [ 岡野祐士 ](大泉書店)/かわいいハムスター飼い方・育て方 [ 田向健一 ](西東社)/小動物の飼育情報満載!スモールペット飼育ハンドブック(緑書房)ほか
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